大原孝治氏率いるドンキホーテの経営戦略
小売業界全体が伸び悩む中で、継続して好調な営業成績をおさめているのがドンキホーテです。なぜドンキホーテは増益を続けることができているのでしょうか。
大原孝治氏率いるドンキホーテは、お客様により多くの商品を購入してもらうことも重要ですが、それ以上に買い物を楽しんでもらうことが重要だと考えています。そこで大原孝治氏は、お客様に喜んでもらうために、日用品の価格を下げることを行いました。
商品の価格を下げるためには、商品を作っているメーカー側の協力が必要になりますが、大原孝治氏は過度に値下げを依頼することは士気を下げることになることを知っています。現場で働いた経験も豊富なので、価格交渉に立ち合ったこともあります。
そこでメーカー側にのみ協力を求めるのではなく、ドンキホーテ側も努力が必要だと考えました。その努力とは、商品を大量に一括仕入れすることによって、倉庫に在庫を保管して価格を安定させるということです。多くの小売業では在庫が多すぎると、早く捌きたいという気持ちを持ちます。しかしドンキホーテはあえて、倉庫に在庫を多く持つことによって大量仕入れを可能にし、価格を安く抑えることを実現しました。発想の転換だといえますし、大型店舗が多く、大きな倉庫を所有していたからこそできることだといえます。また在庫を多く抱えることによって、災害などが起こったときに近隣住民や自治体に協力できるという側面もあります。小売業というのは地域に密着してこそ発展できるので、問題が起こったときに最大限に協力できる体制を整えています。